2026/11/05 14:07

「フライトジャケット」とひと口に言っても、実はいろいろな種類があります。

なかでも定番中の定番が、A-2、MA-1、L-2Bの3つ。

それぞれに、生まれた時代と理由があるんです。

今回は、この3兄弟の違いを、店主の目線で整理してみます。


■長男:A-2(1931年〜)

A-2は、1931年にアメリカ陸軍航空隊が採用した、レザーのフライトジャケットです。

素材は、ホースハイド(馬革)。

袖口と裾にはウールのニット、両胸にはフラップ付きのポケット。

このポケットに、手を入れる横口がないのには理由があって、「ポケットに手を突っ込むのは、軍人らしい姿勢ではない」と考えられていたからだそうです。

A-2は、基礎飛行訓練を終えた士官に支給され、それを着て上級訓練へ進むのが習わしでした。

まさに、パイロットの誇りの象徴だったんですね。


■次男:MA-1(1950年代〜)

時代はジェット機へ。

狭いコックピットでも動きやすく、軽くて暖かい上着として、1950年代に生まれたのがナイロン製のMA-1です。

それまでの毛皮の襟は、パラシュートのハーネスに引っかかるため廃止され、ニットのリブ襟になりました。

そして、MA-1といえば鮮やかなオレンジの裏地。

これは1960年ごろから採用されたもので、それ以前の初期型の裏地はセージグリーンでした。

墜落したパイロットが上着を裏返して着ることで、捜索隊から見つけてもらいやすくするため、といわれています。


■三男:L-2B

L-2Bは、MA-1の「軽量版」。

寒い季節向けのMA-1に対して、こちらは少し暖かい季節向けの一着です。

見分けるポイントは、肩のエポレット(肩章を留めるタブ)。

L-2系には、肩にスナップで留めるエポレットが付いています。


■3兄弟の見分け方まとめ

・レザーで、袖口と裾がニット → A-2
・ナイロンで、肩にエポレットなし → MA-1
・ナイロンで、肩にエポレットあり → L-2B

古着屋やお店で見かけたら、まず素材と肩を見てみてください。

それだけで、3兄弟のどれなのかが分かります。


■MoDiで扱っているフライトジャケット

■参考にした資料
スミソニアン国立航空宇宙博物館の収蔵品解説/Air & Space Forces Magazine「The Jacket That Lives Forever」/Alpha Industries「Alpha Industries in History」/Wikipedia「MA-1 bomber jacket」「Flight jacket」「A-2 jacket」