2026/11/06 09:44

ミリタリーの服を選ぶとき、つい目がいくのが迷彩柄。

でも、迷彩はただの「柄」ではありません。

色の数、模様の形、そのひとつひとつに、国の地形や、軍の考え方が映し出されているんです。

今回は、MoDiで扱っている迷彩の中から、対照的な2つを紹介します。


■イギリス軍のDPM ― 半世紀、英国兵の姿を形作った迷彩

DPMは「Disruptive Pattern Material」の略。

イギリス軍が1960年代から2010年代まで使い続けた迷彩です。

色は、黒、こげ茶、緑、砂色の4色。

西ヨーロッパの森や野原に溶け込むように作られています。

1968年に支給が始まった「1968パターン」で、イギリス陸軍は迷彩の戦闘服を、すべての兵士に行き渡らせました。

迷彩服を全軍に標準支給したのは、世界で初めてだったといわれています。

ルーツをたどると、第二次世界大戦中に空挺部隊やコマンド部隊が着た「デニソン・スモック」の迷彩に行き着きます。

その最初期のものは、なんと手描きだったそうです。

1980年代の終わりには、砂漠用の「デザートDPM」も生まれました。

MoDiで扱っているDPMのショートパンツやポーチの多くは、この砂漠用のほうです。


■スイス軍のアルペンフラージュ ― 「四種のフルーツのパジャマ」

一方こちらは、ひと目でそれと分かる、スイス軍の迷彩。

マニアの間では「アルペンフラージュ(アルプス迷彩)」や「ピザ迷彩」と呼ばれています。

この柄は、スイス陸軍の戦闘服「Kampfanzug 57/70」と、1983年に登場した迷彩服「TAZ 83」に使われました。

赤や明るい緑が入っていて、一見とても派手。

スイスの兵士たちは、その色合いから「四種のフルーツのパジャマ」と呼んでいたそうです。

ところが、もとになったのは第二次世界大戦の末期にドイツ軍が試験的に使った全地形用の迷彩で、暗視装置に見つかりにくい工夫がされていたといわれています。

派手に見えて、実はちゃんと理由がある。

迷彩の面白さが詰まった柄です。

TAZ 83は1983年から1993年まで支給され、その後シンプルな柄のTAZ 90に役目を譲りました。

それでもこの柄の雨よけシートは、今もスイス軍で使われ続けているそうです。


■同じ「迷彩」でも、考え方はまったく違う

4色で森に溶け込む、イギリスのDPM。

派手な色の中に工夫を隠した、スイスのアルペンフラージュ。

同じ目的のために作られたのに、国が違えば、答えもこんなに違う。

迷彩の服を手に取ったら、ぜひ「この色は、どんな景色のために選ばれたんだろう」と想像してみてください。


■MoDiで扱っている迷彩アイテム

・イギリス軍 デザートDPM ショートパンツ
https://moridiem.base.shop/items/164833763

・イギリス陸軍 ライトウェイト DPM カモパンツ
https://moridiem.base.shop/items/164833931

・スイス軍 M83 アルペンカモ ジャケット
https://moridiem.base.shop/items/164836889

・スイス軍 M83 アルペンカモ タンカーカバーオール
https://moridiem.base.shop/items/164836952


■あわせて読みたい

・M-65はなぜ「完成形」と呼ばれるのか
https://moridiem.base.shop/blog/2026/11/05/135919


■参考にした資料
Wikipedia「Disruptive Pattern Material」「TAZ 83」/英国帝国戦争博物館(IWM)収蔵品解説/英国国立陸軍博物館/camopedia.org「Switzerland」/swisslink.com「The Alpenflage Story」